「ストレス多くて夜眠れなくなった」と感じたことはありませんか?
昼間のストレスが多いと、心身ともに疲れているのに、眠れない。そう思えば思うほど、イライラして、気がついたら、目がギンギン。そんな経験をしたことがある人もいるでしょう。
「考えるな」といわれたら、考えてしまうのが人情という物です。でも、どうしてストレスが多いと眠れなくなるのか、この記事では、その理由から対処法まで紹介します。
1.人の体のしくみ:良質な睡眠に自然とは入れる理由
人の身体の仕組みから考えていきましょう。
人も生物であり、ホモ・サピエンスの原子時代から、日の出とともに起き、日の入りとともに寝る、という生活をしていました。
ところがどういうわけか、人の体内の体内時計は25時間が1日ととらえています。この体内時計のリズムを「概日リズム」といいます。それはさておき、地球の回転速度による1日は24時間ですから、概日リズムと1時間のズレがありますね。
このズレを調整するのが太陽光なのです。
決まった時間に起床して、太陽光を浴びると、概日リズムのズレがリセットされ、体内時計と地球時間のズレが解消されます。
さて、人の体は体内時計によって、自律神経や脳が活動させているのです。
そのため、夜スムーズに眠れるように。朝起きて14~15時間経過すると、自然とメラトニンが脳内で分泌され始め、個人差がありますが2~3時間かけて眠気を誘うのに十分なメラトニンが脳内を満たし、人は眠りに落ちるのです。
ということは、
就寝時間の16~17時間前に起床すると良い
ということになります。
しかし、文明が進んだ現代、太陽とともに生活をしている人はいないといっても過言ではありません。昼も夜もネオンや照明等で家の中も屋外も明るい環境で、かつ、やることも沢山あって、生活習慣が乱れがちです。
さらに、テレビやパソコン、スマホ等々、メラトニン分泌を阻害する光の強い物が身の回りに溢れていますので、意識的に睡眠環境を整えてあげる必要があります。
メラトニンは、脳がリラックスした状態にならないと分泌されません。
ですから、寝る前にカフェイン等脳を興奮させる物を飲んだり、寝る前にスマホやパソコンを見てブルーライトで目を刺激して交感神経が優位になってしまったら眠れないのは、「まだ起きる時間?」と脳が思ってしまって、メラトニンの分泌を躊躇してしまうからです。
だから、寝る前に、メラトニンが分泌されやすいリラックスした環境(睡眠環境)を寝る1時間前ほどから整えてあげるのも睡眠に効果的ですなんですよ。
2.ストレスとメラトニンの関係
セロトニンがメラトニンの原料
さて、起きて14~15時間でメラトニンを分泌し始めて、脳内は寝る準備を始めます。そのために、眠りに欠かせない脳内物質メラトニンのことを「睡眠ホルモン」という呼び方もあるくらいです。
ところが、このメラトニンという脳内物質は、起床して脳内に分泌を開始するセロトニンを原料としています。
セロトニンは、朝目が覚めると同時に脳内で分泌され、太陽光を浴びると一層活発に分泌されます。
朝起きて、脳がまぶしい光を浴びて目覚めたことに気づき、全身に「オキロー」と警笛を鳴らし、運動神経を全身に巡らせて、に体を動かす指令を出し、人は起き上がります。
だから、人は朝飛び起きた後、体が思ったように動かなかったり、顔がボウッとしていたりするのは、全身に運動神経の指令が行き当たるまで体の部位によって時間差があるからです。
セロトニンはストレスに弱い
また、セロトニンは「幸せホルモン」という別名を持つほど、人の感情に大きく作用します。
毎日ニコニコ笑って、嬉しいことばっかりだと、幸せホルモンどんどん分泌されるわけです。
しかし、この幸せホルモンはストレスに非常に弱いのです。ストレスで一気に減少してしまいます。幸せなときに幸せホルモンを分泌するように、辛いとき、ストレスを感じた時には、脳は、ストレスホルモンを分泌するのです。
ストレスの多い人ほどセロトニンが少ない
ストレスホルモンというのは、ストレス反応(筋肉や血管を緊張させたり、血中濃度を上げたり等々、体にさまざまな悪影響を及ぼす反応)を起こす複数のホルモン物質の総称です。
原始時代、ホモ・サピエンスの時代には、体を敢えて緊張応対に持って行くために、これらのストレスホルモンは重要でした。しかし、攻撃の後の達成感で、このストレスホルモンは発散されていました。
しかし、文明が進んだ令和の時代では、怒りや恐怖、その他緊張状態が生じるような状態が発生しても、原始時代のように動物的に発散できない時代です。
そのままストレスを体内に抱え込んでしまいがちです。
また、IT機器の操作によって長時間同じ姿勢で緊張集中しっぱなし状態が続くデスクワークやゲーム、映画鑑賞、ネットサーフィン、ネットショッピング等々で、体に苦痛が生じます。
デスクワークのくい縛り状態等、スマホ画面を長時間眺める姿勢は、体に長時間の緊張状態という悪影響を与えています。楽しいゲームや映画鑑賞も同じです。
体の苦痛も脳は、精神的な苦痛と同じようにストレスと感じてしまうのです。
脳にとって、心の反応も体の反応も、脳内の反応の一部に過ぎず、脳にとって、それは細胞レベルでは同じようにストレスと感じ、各々の苦痛に応じたストレスホルモンを分泌するのです。
その結果、体外に放出されなかったストレスホルモンが体に悪影響を及ぼさないよう、セロトニンが活躍します。セロトニンは、ストレスホルモンと合体することで、ストレスホルモンを消滅させてしまいます。
そのため、ストレスを抱え込みやすい人ほど昼間にストレスホルモン消滅に、沢山のセロトニンを使ってしまうというわけです。
ストレス過多→セロトニン不足→メラトニン不足→睡眠障害
その結果、メラトニンが必要な時間帯になったときに、良質な睡眠に必要なだけのメラトニン生成に、その原料のセロトニンが不足してしまうというわけです。
「セロトニン不足はメラトニン不足を引き起こす!」というわけです。その結果、十分なメラトニンが分泌できない状態に陥って、脳は眠くなれなります。
このような状態が常態化してしまったら、睡眠障害になってしまうのです。
「ストレスが多いと眠れない」というのはメラトニン不足に陥っているのです。
また、良質な睡眠状態では、体内に残ったストレスホルモンを眠っている間に除去してくれます。「一寝入りしたら怒りが収まった」経験のある人もいるかもしれませんが、それは、眠っている間に、脳内のストレスホルモンが除去されたからなんですよ。
「嫌なことがあったら寝る」という人もいますが、これは案外理にかなったことなのです。
3.睡眠障害防止のため昼間のセロトニンを減少させない方法
しかし、ストレスは自然と起こってしまうものです。気持ちはコントロールできないので、ストレス発散が苦手な人は、脳の勘違いを利用してセロトニンを増加させることもできます。
ストレスが減らせないなら、使った分だけセロトニンの方を増やそうという考え方です。
セロトニンは、幸せホルモンと異名を取るほど、嬉しいとき・幸せなときほど画期的に分泌さレス脳内物質です。
人は、嬉しいときや幸せを実感したときに、自然と笑みがこぼれるものです。
この現象を利用するのです。
怒りが爆発しそうなときやイライラが収まらないとき、そんなとき何もしなかったら、ストレス物質がどんどん分泌してしまいます。つまり、感情を押し殺すときは、セロトニンが大消費されていると思ってください。
そのセロトニンが怒りやイライラで分泌したストレスホルモンと合体して、ストレスホルモンを消失させているのです。ストレスが多ければ多いほど、セロトニンが消費されます。
これでは、夜寝られなくなるのも当然ですね。
そこで、そんなときの対処方を紹介します。
昼間のストレス対策その1|鏡の前で口角を上げる
両手で口の口角を上げて、何か楽しい事を思い浮かべてニコッと微笑んでみましょう。鏡で自分を見ながら行うと、自分が笑っている姿を見るので、脳に一層効果的です。
実は、脳は「笑顔=嬉しい・幸せ」ととらえます。だから、顔の筋肉が感情よりも先に動いてしまったとしても、脳は「今嬉しいの?」「今幸せなの?」という感じで、大慌てでセロトニンを分泌させるのです。
脳はけっこう慌て者で、ダマされやすいのです。
「病も気から」という言葉があるように。「ビタミン剤でも、頭痛薬だと言われて飲んだら効いた」なんて現象が起こるのは、脳の勘違いの好現象の一つです。
この脳の勘違い現象を利用したのが、鏡の前での笑顔づくりなのです。
昼間のストレス対策その2|エアハグや妄想ハグ
その他にも、大好きな人・愛する人から、抱きしめてもらったら、幸せ感でセロトニンが分泌されます。でも、いつでもどこでも愛する人からハグしてもらうわけにはいきませんよね。そんなときは、以下の方法を試してみましょう。
- 近くにいる友人からハグしてもらう
- 胸の前で手を交差させて、自分で自分を抱きしめてみる
- 会社にいる場合は、その場にある抱きしめられる物(鞄等手近な物)を抱きしめる
- 自宅にいるときは、ぬいぐるみ抱き枕や毛布等(軟らかい物)←おすすめ
このハグの最中には、頭の中で「愛する人と抱き合っている」のを想像したり、「自分大好き」「大丈夫」と心の中で唱えたりしましょう。
こんな感じで、息をゆっくり吐きながら1分位エアハグや妄想ハグをしてみましょう。
そうするだけでも、脳は勘違いしてセロトニンをたくさん分泌してくれます。
個人的には、鞄等の固い物よりも、人の感覚に近い軟らかいぬいぐるみや抱き枕等や自分を抱きしめる方が、落ち着くと思います。
こうやって分泌された即席セロトニンも、過大なストレスの最中では、一瞬にして消費されてしまいます。その代わり、ストレスホルモンが消失するので、怒りやイライラも緩和される効果も実感できますよ。
4.怒りやイライラ等マイナス感情を消し去る方法
姿勢を正し胸に手をいて、鼻で息を吸って、「ふぅー」とゆっくりと息を口から吐きます。
お腹のおへそが背中にくっつくような気持ちで、無理のない程度で行ないましょう。
何回か繰り返して行なっていると強いマイナス感情が収まって、頭が真っ白になってくれます。
ただし、何事もやり過ぎは逆効果ですから、10秒以上30秒未満を目安に、数回、自分に一番効果的な程度で行いましょう。
マイナス感情が強すぎたときは、この息を吐く方法で、マイナス感情を落ち着かせてから、ストレスを緩和させてから、笑顔をつくったり、エアハグ等をした方が効果的ですよ。
また、個人差があると思いますが、
夢を見て目覚めたり、トイレに起きたりして、その後眠れなくなった夜には、数回息をゆっくり吐いていたらリラックス効果で私は眠れます。
それでも眠れないときは、心を落ち着かせて、笑顔をつくったり、エアハグをやってみたり、ホットミルクを飲んだりするのも効果的ですよ。
【結論】睡眠障害対策には昼間のストレスを減らすことが重要
良質な睡眠には、良質な睡眠状態に脳を誘うための十分なメラトニンが脳内に満たされる必要があるということです。
そのために、昼間のストレス発散に勤めましょう。
体を動かしたり、大声で歌ったり、映画を見て泣いたり、最近では軽い武道なんかも、ダイエット効果だけでなく、ストレス発散にも効果的だと聞きます。
但し、体を動かすのは、やり過ぎは筋肉痛が酷くなったりすることで、反対に体の苦痛としてストレス過大と脳が反応して、セロトニンの無駄遣いとなってしまうこともありますので、なにごともほどほどに!程度が良さそうです。
私は笑顔づくりは意外に効果的だと思っています。
いつも笑顔をつくる練習を鏡でしていると、笑顔が素敵な人になれますし、鏡を見るということは、自分が今どんな顔をしているかを目の当たりにする事になります。
マイナス感情でストレスいっぱいのときは、一般的に眉間にシワを寄せていたり、唇をかみしめていたり、だいたい恐い顔をしています。
そんな自分の顔を見るだけで、少し落ち着くこともできます。
心の中で大きな声を出している気分で、「あー」「いー」「うー」「えー」「おー」と大きく顔いっぱいに口を動かす気分で口を開ける運動を行なってみましょう。
表情筋のストレッチにもなるので、怒りやイライラで顔の筋肉がこわばっている状態をほぐすことにもなりますし、顔の普段動かない筋肉を動かすことにもなり、アンチエイジングにも効果的です。
(声が出せる環境いる人は、大きな声を出してやってみるのもストレス発散になって一層効果的です。)
その後で、笑顔やエアハグ等を行なってみるくらいなら、会社のトイレでもできるので、ダマされたたと思ってやってみてはいかがでしょう。
嫌なことがあったら数分間でも目を閉じて先ほど紹介したように息を吐いて、座禅をしている気分で瞑想してみる等々。
その他、ご自分に合ったストレス発散方法を日頃から探ってみると良いかもしれません。睡眠障害にだけでなく、健康的にも、ストレスの蓄積は、百害あって一利無しですから。