精神障害に悩む人が障害者雇用の求人と出会うにはどうしたらよいのか。
転職エージェントあるいは就労支援サービスは障害者雇用の求人を持っていることが多いです。
一方で
- どちらを選べばいいのか?
- どの転職エージェントや就労支援がおすすめか
という情報はあいまいなことも多いです。
そこで、精神障害の当事者の私が
「転職エージェントと就労支援の比較と障害者雇用のおすすめ求人サイト8つ」
を順を追って解説していきます。
障害者雇用の転職エージェントと就労支援の違い
そもそも障害者雇用の転職エージェントと就労支援の違いは以下の通りです。
転職エージェントは求人の紹介がメイン
就労支援は社会復帰に向けた準備のサポートがメイン
大きな違いとしては「すぐに就職できるか否か」といったところです。
昨今では就労支援にも企業でのインターンシップや求人紹介があるため、
就労支援だけでも障害者雇用の求人を獲得できるチャンスは十分にあります。
また、原則どちらも
「障害者手帳を持っていること」
が利用する条件ですが、
就労支援の一部では障害者手帳がなくてもサービスを受けることができます。
転職のサポート
転職のサポートは転職エージェント、就労支援ともほぼ変わりません。
具体的には
- 書類添削
- 面接対策(必要ならば同行も)
- 入社後のサポート
は転職エージェント、就労支援のどちらを選んだとしても受けることができます。
精神障害に多い「再発による離職」を防げるようにサポートしてもらえるというのは障害者雇用ならでは。
転職エージェントの面談や就労支援の仲間との交流会など、障害者雇用で働くことへの恩恵は大きいでしょう。
利用料金
利用料金は、転職エージェントと就労支援で大きく異なります。
- 転職エージェント→登録料無料。紹介料無料。
- 就労支援→一部有料(+交通費)。
転職エージェントは「企業に人材を紹介した報酬」をもらっているため、
利用者側には一切お金がかからないのが強みです。
今では面談もオンライン化しているところが多いため交通費の利用者負担もありません。
一方で就労支援は場所によっては有料となります。
地味に痛手なのが交通費です。
就労支援では通勤練習として週に数回通うことになりますので、
それなりの交通費がかかってしまいます。
自治体によっては負担してくれるところもあるので、
一度お住まいの自治体に相談してみましょう。
食事の補助が出る場合もあります。
転職エージェントか就労支援のどちらがいいのか?
ここまで見ていると、どちらが良いのかわからなくなる方もいるのではないでしょうか。
どちらが良いのか判断できる材料としては以下です。
・転職エージェント
→離職期間が短く、フルタイムで働く自信がある
・就労支援
→離職期間が長く、フルタイムで働くことに不安を感じる
特にブランクが数年にわたり、体調に波があるという方は就労支援で「通勤の練習」をしましょう。
障害者雇用のおすすめ求人サイト(転職エージェント)
障害者雇用を取り扱う転職エージェントからランキング形式で紹介していきます。
第3位:dodaチャレンジ
3位は大手転職エージェントdodaでおなじみ、パーソルキャリアが障害者に特化したサービス「dodaチャレンジ」です。
dodaチャレンジの特徴は以下です。
- 大手転職エージェント系列ならではの実績と経験
- 大手から外資、ニッチ企業まで幅広い非公開求人
- エージェント面談の質の高さ
dodaチャレンジは実は筆者が使った経験がありますが、エージェント面談の質の良さがとてもよかったです。
初めての障害者向け転職エージェントだったので戸惑いましたが、終始穏やかで話しやすい雰囲気でした。
dodaも利用していましたが、負けず劣らずの質の高い転職支援を受けることができます。
一方で面談以外の対応については淡白な印象を受けたので、3位とさせていただきました。
第2位:障がい者転職エージェント【Agent-Sana】
2位は、Agent-Sanaです。
Agent-Sanaの特徴は以下です。
- 障がい者採用のパイオニア 29年の実績とノウハウで求職者の希望に合ったサポートを行っています。
- 求人数業界トップクラス すべてが非公開求人、そのうち85%が独自の非公開求人です。
- 完全無料で手厚いサポート 面接から入社までのサポートはもちろん、入社後のフォロー面談など、相談を行っています。
- 高い内定率で企業からも高い信頼 面談から2カ月以内の内定率60%。企業からも高い信頼を得ています。
特にAgent-Sanaは「面談から2ヶ月以内の内定60%」が強みです。
通常は、転職エージェントが紹介した求人を求職者が応募し選考に進むのですが、
スカウトサービスでは企業から「うちの選考を受けてほしい」というオファーが来ます。
障害に負けずにキャリアアップしていきたいというあなたにとっては、強い味方となってくれるはずです。
また、情報収集として話を聞くことも歓迎しているのがトゥモローブライトならでは。
atGP同様に障害者手帳を持っている方のみの募集となります。
22歳以上からの申込
「身体障がい」
「内部障がい」
と範囲が限定されておりますが、ぜひ検討していただきたいエージェントです。
第1位:atGP
1位は、atGPです。
atGPの特徴は以下です。
- 障害者雇用のパイオニアとして15年以上にわたる実績
- 転職サイトにない優良企業からの非公開求人が多数
- ノウハウを活かし求職者の症状に合わせて勤務時間などを企業と調整
特にatGPは「企業との条件調整」が強みです。
精神障害からの社会復帰で企業が懸念しているのは「再発」です。
しかし、再発する環境を除けば一人のビジネスパーソンとして活躍できます。
いずれは症状がよくなることはもちろん大切ですが、
勤務時間や業務調整などの配慮をしてもらうことは欠かせません。
とはいえ、企業の面接で直接言うのは不安ですよね。
atGPではエージェントが企業と勤務時間の配慮などの条件交渉をしてくれます。
ただしデメリットもあり
- 障害者手帳を持っている人
しか利用できないことが難点です。
条件を満たしている人は、ぜひ検討していただきたい転職エージェントです。
障害者雇用のおすすめ求人サイト(就労支援)
障害者雇用の就労支援を、転職エージェントと同じくランキング形式でご紹介します。
第5位:リドアーズ
5位は転職エージェントランキング3位に登場したatGPが運営する「リドアーズ」です。
リドアーズの特徴は以下です。
- 統合失調症の人に特化した就労支援
- プロのキャリアアドバイザーが内定までサポート
- 職場定着率は驚異の93%
リドアーズは統合失調症に特化していることです。
統合失調症は精神障害の中でも独特と言われており、
独自の症状の理解やセルフコントロール、ビジネススキルが社会復帰に欠かせません。
統合失調症に特化した就労支援を行っているリドアーズならではの実績やノウハウが、
高い職場定着率の理由ではないでしょうか。
ただし、統合失調症の症状が出ていることはもちろん
御茶ノ水(東京都)まで週3~5回通所できる人
と限定のサービスなことがデメリットです。
とはいえ、条件に当てはまる人はぜひ選択肢に入れたい就労支援です。
第4位:Cocorport
4位はCocorportです。
Cocorportの特徴は以下です。
- 首都圏・大阪・福岡に51か所の事業所を展開
- 500種類以上のプログラムから自分に合ったものを選択
- 一部の高所得者を除いては、無料で利用可能
Cocorportの特徴は、なんといってもプログラムの多さです。
ビジネスマナーやパソコンスキル、グループワークはもちろんのこと、模擬就労や運動・リラックスまで多種多様です。
ユニークなものでいえば、フットサルや農作業プログラムなども。
画期的なプログラムで定評があるCocorportですが、唯一のデメリットは「できて間もない企業ゆえに実績が少ない」こと。
設立自体が2012年ですので、事業所を複数展開しながら試行錯誤中です。
ただし、今後頭角を現す可能性は大いにあり、首都圏・大阪・福岡の人はぜひ検討しておきたい就労支援です。
第3位:リンクビー
3位はリンクビーです。
リンクビーは実は発達障害に特化した就労支援ですが、
精神障害の中には「大人の発達障害」という人も多いのでランキングに入れました。
そんなリンクビーの特徴は以下です。
- 特性や課題を理解したうえで就労を支援
- 実践的な職業訓練で働く練習が可能
- 職場定着率はなんと90%
リンクビー最大の「特徴は特性や課題を理解してもらえたうえで、就労できる」こと。
発達障害とひとくくりで言ってもASD、ADHD、LDなどの種類があり、それぞれで特性が異なります。
そして、なんといっても人によって度合いも異なるので、同じ就労支援の仕方だと通用しません。
しかし、リンクビーもatGPの系列ですので、長年障害者雇用に携わってきた実績やノウハウを持っています。
その証として、職場定着率は90%と高い数字をたたき出しています。
首都圏と関西圏のみの対応であることがデメリットですが、
首都圏・関西圏に住んでいる方はぜひ検討していただきたい就労支援です。
»公式サイトはこちら
第2位:LITALICOワークス
2位はLITALICOワークスです。
- 80か所以上に事業所を持ち、全国展開
- 20代、30代の精神障害の就労支援が得意
- 大企業への就労実績が多数
LITALICOワークスの強みは、20代30代への就労支援実績です。
他社サービスでは20代、30代よりもそれ以上の年代の就労支援を得意としていることが多いですが、
LITALICOワークスは違います。
全国展開していることや、職員の年齢層、就労支援の内容など若者から好評の理由はたくさんありますので、
1度お近くの事業所を見学してほしいです。
ただし、事業所数が多いゆえに、職員の質にバラツキがあるとの声も。
大都市圏であれば、同じ都市に複数の事業所を持っているのがLITALOCOワークス。
合わないなと感じたら、別の事業所に行けるのも魅力です。
会社の社風と同じです。おすすめです。
第1位:ミラトレ
堂々の第1位は、dodaでおなじみパーソルキャリアが運営する就労支援「ミラトレ」です。
ミラトレの特徴は以下です。
- 大手人材会社ゆえに持つノウハウや技術
- コミュニケーションスキルのプログラムがメイン
- 一人ひとりに最適な支援計画
ミラトレの特徴は、コミュニケーションスキルのプログラムをメインに、一人ひとりに最適な支援計画を一緒に練れることです。
精神障害で悩む人の中にも
- コミュニケーションが苦手
- 感情のコントロールに不安がある
- 物事を敏感に感じやすい
といった様々な背景があります。
特にミラトレは「コミュニケーションが苦手」という人には、おすすめしたい就労支援。
どんな仕事でもコミュニケーションは必要不可欠。
あくまで「業務上のコミュニケーション」が必要なだけですし、
コツをつかめば以前より楽に働けるようになります。
一方で、デメリットは職場定着率が他より若干低いこと(80%)。
低いとはいえ、世間的に見れば高い数字ですので安心してくださいね。
障害者雇用のおすすめ求人サイト(番外編)
これまで転職エージェントと就労支援を紹介してきましたが、
最近できたatGP紹介しますシリーズ紹介します。
Web制作と働き続けるスキルがバランス良く身につく就労移行支援【atGPジョブトレ IT・Web】
就労移行支援の中でもIT・Webに特化しているため、
スキルを専門的に身に着けることができます。
番外編にした理由は、利用できる方が限定されているからです。
・障害(特に精神・発達障害・難病等の内部障害)があり、下記いずれかに該当する
・手に職を付けて活躍したい
・独学で断念した人やWeb制作未経験者
・復職を希望するプログラマー、Web制作経験者
・東京(渋谷もしくは秋葉原)、千葉(船橋)、埼玉(大宮)に週4~6日(月~土)通所可能な方
精神障害があるとなかなか外で働くのは億劫になりますよね。
しかしプログラマー、Web制作の仕事では在宅勤務者も多く居ます。
通勤の心配がなく、在宅で働けるのは大きなメリットです。
そのためにはスキル獲得が重要ですが、
atGPジョブトレ IT・Web
ならそのスキルが獲得できます。
条件に当てはまる方は断然おすすめです。
うつ症状専門の就労移行支援【atGPジョブトレ うつ症状コース】
神奈川(横浜)の事業所は2021年4月に開設したばかり!
・15年以上にわたり障害者の就職・転職をサポートしてきた「atGP転職サービス」のゼネラルパートナーズが運営。 atGPジョブトレに加え、atGPの就職支援サービス(atGPエージェント、atGP転職)も併用することで、就職の可能性が広がります。
・atGPサービス全体の取引企業2000社以上!
・atGPジョブトレの1事業所あたりの平均年間就職人数は、全国の就労移行支援事業所の平均3.4人の7倍の24名。さらに、就職後の職場定着率も91.4%。
・症状理解・認知行動療法・ストレスマネジメントなどうつ症状専門のカリキュラムを用意。
・同じ障害を持つ仲間と悩みや解決策の情報共有ができるため安心。
・長期就労に必要な障害・症状への対処法を身につけることができる。 障害への理解が深まったと回答した利用者様が95%。
・事務職で活躍できるスキルが身につく。事務職での就職率が94.5%。
・一人ひとりと向き合う満足度の高い支援を実施。スタッフの支援に満足している利用者様の割合が95%。
うつや双極性障害(躁うつ病)、適応障害や不安障害のある方。
かつ、東京(秋葉原)・神奈川(横浜)・大阪(梅田)に 週4〜5日(平日)通所可能な方。
※現職中は利用不可
という制限がありますが、うつに特化している就労移行支援を検討している人はぜひ!
まとめ&当事者からのメッセージ
本記事では精神障害に悩む人に向けて、障害者雇用に特化した転職エージェントと就労支援を紹介しました。
精神障害に悩む人の中には「もう働けないのではないか……」と考えている方もいるかもしれません。
しかし、場所を選べば輝くことができます!
精神障害に悩む人の大半が
- 上司からパワハラを受けた
- 残業時間が異常に長かった
- 社風や職場の雰囲気に合わなかった
といった仕事関係が原因ではないでしょうか。
あなた自身が悪いわけではありませんし、
職場や上司に合わせる必要もありません。
私は上司のパワハラと体育会系の社風に合わずうつ病を患いましたが、
たまたまご縁があって、今はWebライターのフリーランスとしてのびのび働いています。
うつ病も月に1度の通院のみで、表情も以前より元気になったと色々な人から言われるようになりました。
それまでに通常の転職エージェントを使って、250社に落とされてしまいました。
1つだけ心残りがあるとすれば、
障害者雇用の転職エージェントや就労支援をほとんど使わなかったことです。
使っていたら、今頃どっかの会社で働いていたのかなとふと考えるときがあります。
再発を回避して、あなたらしく輝ける場所を見つけるためにも、まずは相談や見学だけでもいってみましょう。
本記事が、精神障害に悩むあなたの助けとなれば、私は幸いです。