先日、公務員の障害者雇用を受けてきました。障害者採用にあたり行った公務員試験の対策についてお話ししたいと思います。
前回の記事でお伝えした障害者雇用技能職員の試験ですが、
一次試験:筆記試験
二次試験:面接試験
となっています。
障害者に対する法律が変わり、法定雇用率も引き上げられました。
採用するにあたっては、採用者側に障害者に対し合理的配慮が求められ、
また身体障害者だけとしていたケースもありましたが、
今後は精神障害者も差別なく採用していく必要があります。
今回の記事での根拠は僕自身です。
大学職員の内定をもらいましたが、
僕自身、保育や教員をしていたので、
大学ではなく、小中学校でやはり働きたいと思い内定を断りました。
内定をもらうまでの対策が少しでもみなさんの役に立てばと思います。
本当は精神障害者は雇いたくない
残念な事実として、人事は(採用者側は)
精神障害者は雇いたくない
人事の方は精神障害者は本当は雇いたくないです。
これを受け入れないと人事側の意図がわかりませんので、
何度面接を受けても落とされます。
理由をいくつかにわけて考えていきます。
精神障害者のことがわからないから嫌だ
まずは採用側の精神的な面から考えます。
採用を担当する人事の方は、
基本的に障害者のことは理解していないと思ってください。
基本的な研修は受けているでしょうが、
本当に理解などしていません。
知っているのは一般的なことのみで
「精神障害者のうつ病は〇〇な症状があり、すなわち〇〇な配慮が必要で~」
など一般的なことのみで、
家族に同じ症状の方でもいない限りまずわかりません。
たぶん仕事じゃなきゃ
障害者に興味もないと思います。
「障害者なんだ~大変だね~」
でおしまいです。
法律が変わり仕方なく雇うしかないから面接をしている
と思ったほうが対策が立てられます。
身体障害者の方よりも精神障害者の方が不利
次に見た目の印象に入ります。
かっこいい、可愛いという容姿の話しではなく、
身体障害者の方はみためで配慮しないといけないことがわかりやすい
以前、足が麻痺で動かなくなった身体障害者の方にお話を聞いたのですが、
「車椅子を使っていると大丈夫ですか?と声をかけてくれる。
でも、心が傷ついていても大丈夫ですかとは言われない。
ひとは見た目でしかわからないから。同じ障害者なのにね。」
なかには見た目にも出ている方もいるのかもしれませんが、
僕は精神障害者だと言われたことはありません。
今もバスに乗る際に福祉乗車券を見せると
何度も顔を見られます。
見た目を清潔に保ち、
精神が安定している時は
見た目では障害者だと判断できないです。
採用を担当する方も人間ですので、
知らないことよりも知っていること、
見えている情報に頼るわけなので、
身体障害者の方の方が有利になるわけです。
※実際、障害者の方が有利に生きているという意味では断じて違いますので
誤解なくお願いします。障害を持っている全員が生きるのが大変です。
精神障害者への合理的配慮がわからない
合理的配慮という言葉だけが飛び交い、
採用者側も企業側もどう配慮して良いのかわからない
というのが本音です。
わからないなら雇わない
当たり前の判断かもしれません。
僕自身配慮してもらいたいのは以下の三つです。
・休日出勤が常にないように
・暗黙の了解での残業がないように。(いくらでもしてしまう
・嘘や偽りがないように。法令順守が当たりまえに。
今まで働いた会社は休日に電話があり判断しないといけないこともありました。
残業もつける時間が決まっていて、本当はしていました。法定残業時間を超えていました。
法令を守らず、グレーなことも多くあり、良心が痛みました。
この三つを配慮してもらいたい。
しかし、この配慮は障害とは関係ないと思っています。
企業が当たり前に守らないといけないことなのです。
素直に伝えたいところですが…。
配慮してもらいたいところをストレートに伝えても落とされる
日本の企業では素直に配慮してもらいたいことを伝えても通用しません。
超ホワイト企業でもないかぎり、
素直に配慮してもらいたいことを伝えても
めんどくさいやつ
と思われておしまいです。
目標をもう一度落ち着いて考えます。
精神障害者の方は特に自分自身のことを責めてきたと思います。
次の会社では失敗しないぞと色んな決意をしたんじゃないでしょうか。
会社に入ればきっとできます。いっぱい悩んだんですから大丈夫です。
目標は「内定獲得」。面接で意地を張っている場合ではない。
あくまでも障害者雇用として内定を獲得することが最終目標です。
今後配慮してもらいたいことを全部伝えてもただのめんどくさいやつで落とされます。
精神障害者のことがわからない、
精神障害者の見た目でも配慮しなきゃいけないことがわからない、
精神障害者への合理的配慮がわからない
障害者採用の人事の担当者はそんな気持ちで面接をしています。
そこで対策としては簡単です。
そんなに不安ならこっちから教えてあげればいい!
障害者採用の面接の対策は精神障害者の未来を語ること
障害者採用の担当者は不安でいっぱいです。
知らないことだらけなので。
面接を受けに行くこちらもドキドキですが、
相手はもっと緊張していると思うと少し落ち着けますよ。
対策を順に考えます。
僕自身を例に考えてみます。
①まずは面接官を安心させる。
「こちらは精神障害者ですが、ご心配には及びません。
体調も安定していますし、しっかり働けますよ。
うつ病のことは僕自信にもわからないことが多くあります。
働きながら一緒に配慮していただきたいことを相談しながら伝えていきますので、
今のところは配慮していただくことはありません。」
と伝えます。
過去の営業経験でまなんだことですが、
出会って5分で信頼を勝ち取れ!
最初の5分が勝負です。
最初に相手への配慮、感謝から始まり、
一人で勝手なことしないで相談しますよとアピールです。
相談しながらと伝えているので、
働きだしてから配慮事項が出たら伝えればいいのです。
特別に配慮してもらうことがないなら
今のところ配慮してもらうことはないと伝えたほうが安心します。
②職歴がある方は経験を語る
今までの職歴の説明に乗せて、今後活かせることを前面に打ち出します。
「今まで、保育・教育に関わる仕事に携わってきました。子
どもへの対応は臨機応変に即時対応ばかりです。
保護者の方のスケジュールまで把握して連携しておりました。
この職種は未経験ではありますが、
臨機応変できる柔軟な思考と
即時対応できるスピード感が役に立つと思います。
臨機応変な対応は必要な職場ですよね?」
ポジティブに、職歴が今後も役立つことを伝えます。
そして聞いてるだけだと面接官も飽きるので、
しっかり耳に入れてもらうためにあえて質問します。
②職歴がない方は熱意を語る
職歴がない方は簡単です。
「私はまだ働いたことがありません。
(既卒の場合は「新卒と同じように」と足す)
何でも癖なく覚えることができます。
基本的なPCスキルは独学で勉強していますので、
会社のルールを徹底的に叩き込んでください。」
会社でパソコンを使わないことはまずないので、
基本的なPCスキルはあると伝えましょう。
実際PCスキルといっても会社に入らないと求められるレベルがわかりません。
保育の現場ではWordがメイン、
事務としてならExcel、
営業ならPowerPointでしょう。
しかし、会社に入れば自然と覚えます。
仕事しながら仲間や上司に教えてもらうか、
学校ではないので、
PCの操作マニュアル買って机に置いても怒られません。
その都度堂々と見ながらやればいいです。
完璧じゃなくていいのです!
僕自身完璧主義なので苦労していますが、
完璧に覚えてなくて大丈夫ですよ!
本当に苦手な人は今から1冊読んでおけばなんとかなります!
③障害なんかに負けないぞと未来を語る
不思議なことに合理的に考えれば精神障害者だろうが身体障害者だろうが
スキルや個に合った仕事を用意すればよいだけなのですが、
面接官も人間です。
合理的な判断だけでなく、感情もあります。
「今まで、障害に気が付かず苦労してきました。
転職も多く、転職の度になぜ僕は体調を崩してしまうのだろう
と自分を責めていました。でも負けたくなくてなんども転職をし、
そこで一から仕事を覚えて何度挫けても挑戦してきました。
これが障害だとわかり、自分自身のせいではないと知り安心しましたが、
僕の考え方はかわりません。
今後も何でも前向きに取り組み、障害も受け入れ、
障害者採用をしてくださる会社のために貢献したいと思います。」
僕の場合は転職が5回以上あるのですが、
障害が原因ですのでしっかり説明します。
障害が原因ですよと伝えても健常者には納得できませんので、
自分のがんばってきたこと(過去)
これからもがんばっていくこと(未来)
を伝えます。また
会社への貢献と感謝
は必ず伝えます。
実際障害者採用はとても大変なことです。
会社での研修から、損得勘定から、
社長のやら部長やらの許可をいっぱい通ってから
やっと障害者採用ができています。
その面倒な作業をやった面接官にきちんと感謝の意は伝えます。
障害者採用への採用を勝ち取ろう
障害者を採用する側の意図を考えるとこちらも対策が取りやすいです。
僕自身が採用を担当していたときも結局は
人となり
で判断していました。
経歴が優秀でも意地悪そうな人は雇いませんし、
未経験でも明るく前向きに、
恥ずかしがりやでも頑張ってる方を採用していました。
障害者というだけで面接のハードルは本当に高いと思いますが、
内定を勝ち取りましょう!
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