次の文章の要旨として、最も妥当なものはどれか
もし、他人がつくり上げた概念の城の片隅に、欲得もなく安住しようと言うのならともかく、わずかでもその外に目を向けたことのある者になら、まだ、登録されていない新大陸、名づけられていないライオン、枯尾花の招待をあらわしていない幽霊どもが、うようよしていることに、気付かずにはいられないはずである。だからこそ、芸術などという、概念で置き換えてしまうことの出来ない怪しげなものが、この理性の時代にあっても、なお死刑の宣告をまぬがれていられるものだ。芸術とは、その未登録の大陸に踏み入り、無名のライオンにおびえ、幽霊の群れにおののき、そしてそれらすべてを、名づけられないままに、受け止める作業にほかならないのである。そう、名づける方の仕事は、批評や、科学にでもまかせておけばいい。すくなくとも、ここでは、名づけたいという自然の行動にさからってでも、無名の幽鬼たちを、そのありのままの姿で、受け入れてやらなけらばならないのだ。
1.芸術は他人がつくった概念の城を壊そうとするものである。
2.まだ知られていない概念を新しく名づけることこそ、芸術である。
3.概念でとらえきれないものを自ら追い求めるのが芸術である。
4.芸術とは名づけたいという自然の行動を拒んででも、あるがままのものを受け入れようとするものである。
5.芸術と科学の違いは名づけようとするかどうかという点である。
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正答 4
解説
1.「概念の城を壊」すのではなく、「無名」のものを「ありのままの姿で、受け入れ」るという点が重要であるとしているため、誤り。
2.「芸術とは、・・名づけられないままに、受け止める作業にほかならない」とある。また、「名づけるほうの仕事は、批評や、科学にでもまかせてせておけばいい」と述べているため、誤り。
3.「ありのままの姿で、受け入れ」るのが芸術だとしているが、その受け身の姿勢を「追い求める」と表現するのは不適当であるため、誤り。
4.正しい
5.芸術と科学の違いについては詳しく論じられていない。科学については、「批評や、科学にでも」とあるように、その性質には関心が寄せられていないので、誤り。
出典 実務教育出版 「公務員試験 受験ジャーナル」 より
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