LGBT バイセクシャル

日本と海外におけるLGBTの人権意識の違い

2016-11-23

去年、私の友人の外国人からパーティーへの招待があり出席した。パーティーも終わりに近づいて来た時に「大切なお話があります。私に大切な人が出来ました。」と紹介したのは男性の韓国人でした。その時、私や他の外国人は「おめでとう」と拍手と言葉を送りましたが、他の日本人は驚きを隠せない様子で「ゲイなの?」「結婚?」とヒソヒソ話す声が聞こえてきました。本来付き合ったり結婚したりする行為は、本当に好きになった者同士が行う行為であり、そこには誰も干渉してはいけないはず。また社会的制限や差別的扱いを受けてはいけないはずだが、現在の日本ではそれらが平然と行われている。

 

 

今年、2016年8月に東京のある大学院生が友人に同性愛者であることを打ち明けたことで差別的扱いや、いじめを受けるようになり最終的には自殺してしまうといった事件が起きた。ここで問題なのは、同性愛が原因での差別的扱いを受けた点である。

 

「本来、人がだれを好きになろうがそれは自由である。そこに社会的地位、職業、性別、人種などは関係ない」

「本来、人がだれを好きになろうがそれは自由である。そこに社会的地位、職業、性別、人種などは関係ない」というのが海外での考え方の基本である。一部の海外の国においては宗教の関係で同性婚などが認められていない国もあるが、近年は同性婚への理解や法整備が急速に進んでいる。その一方で、日本では法整備、人々の理解、同性愛者の人権の確立も進んでいないのが現状である。同性愛者への理解や法整備が進まない背景には、歴史が深く関係している。

 

日本の同性愛

 

日本で初めて同性愛の事実が確認されたのが、平安時代といわれている。それ以降、明治時代までは同性愛という風潮が日本中で流行していた。歴史や国語の教科書にも登場する、松尾芭蕉や織田信長も男色の趣味を持っていたといわれている。しかし、江戸時代後半になると国家繁栄のために同性愛などを制限する異色罪という法律が制定され、明治時代の終盤までこの法律による取り締まりが行われていた。この頃から学校教育が導入され始め、富国強兵のスローガンのもと国家繁栄を確実にこなすために同性愛などの国家成長後退の原因ともなる同性愛者同士の恋愛を徹底的に排除しようとしてきたと言われている。それ以降、同性愛者に対する風当たりが強くなってきた。昭和の時代に入り終戦を迎えた翌年の1946年に日本で初めてのゲイバーが登場した。これは当時日本を占領していたアメリカ軍から同性愛という考えが再び入ってきたのである。当然日本人は、「国家繁栄のため子孫を一人でも多く残す」という考えに忠実に従っていたためそれに関心を示すことがなく、同性愛者たちの自由な権利は当然認められなかった。1970年代になり、アメリカを中心に同性愛者たちに影響を当てる出来事が起きた。

 

「同性愛議員 ハービー・ミルク」

 

「ハービー・ミルク」という同性愛者が国会議員に当選したことである。当時のアメリカでも、同性愛者というのはHIVの象徴と考えられており人々からは嫌われていた。今、人々が口にするゲイという言葉もこの頃、同性間でセックスをして楽しむ「Get enjoy 」という言葉から生まれ当時は、同性愛者を馬鹿にしていた言葉であった。ミルクが国会議員になってからは、盛んに同性愛者の自由と権利を確立させるためパレードや抗議活動を行った。後にミルクは、同性愛者たちの聖地とし知られているアメリカにあるカストロ通りで活発に活動を行ったということから「カストロ通りの市長」と呼ばれるようになった。このような出来事が実を結び、1980年代に入ると急速に同性愛者たちの人権と権利を擁護する運動が高まってきた。有名な歌手であるシンディーローパーの「True colors」という歌が同性愛者たちのシンボル的な歌として使われたことや1960年代から1970年代に起きたゲイ解放運動などの影響もありアメリカいくつかの都市では、同性愛を公式に認める発表を出した。それにより少しずつではあるが同性愛者たちの権利が確立されていった。この動きは海外の国にも広がり、スポーツ選手や有名人たちが同性愛者であることを公表するようになってきた。また、2001年にはオランダで同性愛者たちの権利を認め同性婚を世界で初めて公式に認めた。その動きは欧州に大きな影響を与え次々と同性婚を容認する国が増えていった。2006年には「モントリオール宣言」で同性愛者たちの権利の保護のためのパートナーシップ制度などの必要性が盛り込まれた。

 

 

このようにして世界各国では時代の変化とともにそれぞれの国のあり方を変化させて今にいたっている。一方でわが国日本では、世界に比べて遅れているというのが現状である。それは前述したような歴史的事情が頭の片隅に残されているからなのかもしれない。また、海外に比べて自分たちの権利に敏感な人がおらず、行動を起こすような先駆者がいないからなのかもしれない。行動を起こしにくい風潮もあると私は感じている。このままいけば同性愛者たちの人権は認められず、いつの日かイスラム国のように同性愛者を悪だと考える日が来るかもしれない。その日が来る前に、同性愛者たちの人権をもっともっと主張していくことが必要である。時代は変わる。国家繁栄のための子孫を残す時代は終わった。これからは本当の自由主義である。自分たちの権利は、自分たちが声をあげつかまなければならない。今こそ変化の時なのだ。

 

  • この記事を書いた人

ヒカル

37歳バイLGBT/元気そうな精神障害者3級/元障害者枠正規公務員。公務員採用試験は二つの自治体を一発合格しました、民間企業の障害者雇用、障害グレーゾーンを積極的に支援。障害者のため会社3年後に起業決まりました!! 相談、お仕事依頼は問い合わせもしくはTwitterDMにて。 YouTubeでも発信しています。 詳しいプロフィールはこちら

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