今回はノンケ(ノーマル)からゲイへと変わったリアルな恋愛体験です。
私が高校を卒業してから初めてカナダに留学しそこでLGBTという言葉を知りました。日本ではなかなかLGBTという言葉をその当時は聞くこともなくいったいどういう人たちかと気になっていました。
留学先では寮生活で私はオーストラリア人の男性との二人部屋でした。1週間ほどが経ってから突然「男が男を好きってどう思う?」と聞かれました。しかしその時はゲイというのが一体どういうものなのかを理解もしていなかったためはっきりとした答えは返すことが出来ませんでした。ある時、カナダの私が住んでいた都市でレインボーパレード(LGBTの人が集まるお祭り)があると知り、友人と一緒に見に行くことにしました。
第一印象としては普通でした。
そこら辺の人と何も変わらず仕事をして社会生活に溶け込んでいる人たちでした。
その日の晩にオーストラリア人の彼に「男が男を好きでもいいと思う。女性を愛さなきゃいけない理由もないし。」と答えると
「実は、僕はゲイなんだ。」
といわれましたが、
「そう。よろしく」とあっさり答えると
「日本人なのにその反応?」と驚かれました。
海外から見ると日本という国はLGBTに対しての理解がまだ浸透してない国のようでした。
確かに私自身もカナダに留学するまではLGBTという言葉すら聞いたことがなく未知なる存在でした。
彼が私にカミングアウトしてから特に接し方を変えることもなく普通に生活していました。ある時、彼と飲みにバーに行ったときに(後から気が付いたのですが一緒にゲイバーに入っていました!笑)そこでは私の知らない世界が広がっており、男性同士が手をつないだり、抱き合ったり、キスをしたりと日本ではありえないような風景が広がっていました。
そして彼が「これが外国なのさ。男性だけじゃない女性もさ」と反対をみると女性同士でキスをしたり各々に楽しんでいました。
本当に驚きの世界でした。
バイセクシュアルの方の話も聞き、自分の世界がガラッと変わった感じがしました。
お互いに好きならそれでいいんだという考えが私の中にあったからか、「LGBT」を受け入れることが出来ました。感覚的には男性が、かっこいいスポーツ選手や俳優さんを見て好きになっていくのと同じ感覚なのかもしれませんね。
私自身もいつの間にか気が付くと、LGBTの人たちの、自分たちの自由な恋愛を追及する姿にものすごく感動していました。
どんなに世間から文句を言われても、
どんなに差別されようとも
自分たちの権利をしっかりと主張していく。
そして、自分たちの愛を主張していく姿は本当に勇ましいと感じました。倫理的側面から考えたとしても、男が女性を愛さなければいけない理由なんて今の時代には存在しないのかもしれません。
昔は、人類の繁栄のために男性が女性を愛する必要があり同性愛は認められていませんでした。
今の時代には、必要に迫られた繁栄は必要がなくなったのかもしれません。だからこそ自由な愛というのがカナダ、アメリカをはじめとして世界各地で、広まってきたのかもしれません。現在のある研究では、
同性婚が認められているオランダでは人口が減少するどころか、増加してきているという研究があります。
同性婚が増えても人口が増えるということは、同性婚がきっかけで国が亡びるということはないようです。
日本に帰国してから私は再び大学へと編入しました。そしてある講義を受けていた時のことでした。
「LGBTという言葉が存在します。自分の性について悩んで苦しんでいる人たちです。この人たちの恋は世間的には異常なのです。」
と力強く語っていた人がいました。これが現在の日本の姿のかもしれません。LGBTの彼らは決して悩んでいるわけではなく、自分から受け入れている。私の視点から見れば苦しんでいる人はいないのではないだろうかと思います。別に、日本人の理解や社会の目線、社会の偏見が彼らを苦しめているのではないだろうかと感じました。
ある大学生のゲイの方が、友人にゲイだということをカミングアウトしたことでいじめを受けて自殺するという事件が起きました。
この問題にはものすごく違和感がありました。
はじめに、性的差別を理由としてなぜいじめを受けなければいけないのかということです。
男が好きな友人がいて何か被害があるのでしょうか。日本のある説ではゲイAVが影響しているのではないだろうかといわれています。男が男同士で性行為をしてしまうというイメージが先立ち、ゲイの友人がいると
「何かの時に襲われてしまう。」
などと考える人も少なくはありません。また、エイズなどの感染症も名前を聞くとすぐに
ゲイ=エイズ
と考えてしまう人もいます。こういった根本的な教育がLGBTの理解を阻害してしまっているのではないでしょうか。私が通っていた大学の先生はエイズの方でした。彼はゲイではありませんが輸血で罹患してしまったとのことでした。しかし彼自身は隠すこともせず堂々と伝えていました。また、彼とは普通にハグをしていました。海外ではきちんとした教育が行われている証拠でしょうか。この先生が日本の教員として働いていたらものすごく批判されてしまうと思います。
日本では、LGBTに関する情報発信が正しくできていないのが現状です。
カナダでオーストラリア人の彼と一緒の部屋で二年近く過ごしていましたが彼が無理やり襲ってきて危害を加えるということは一切ありませんでしたし、もちろん非人道的なことをすることは一度もありませんでした。(その代り、一緒に寝ようといってきたりとかはありましたが…笑)
日本ではある調査によると100人中3.5人ほどがゲイだといわれています。レズやバイセクシュアルな人は除きますが、最近では増加傾向にあるといわれてきています。テレビでも最近は活躍する人を目にするようになってきました。もっともっと日本でのLGBTに対する理解が広まっていけば自殺した大学生のように本当に心から苦しんでいる人たちが少なくなっていくのではないでしょうか。
日本もさらに大々的にレインボーパレードを開催してLGBTの人たちとの交流がもっと多くなれば身近に感じれるのではないでしょうか。きっと私たちの知らない、気づかないうちに職場や友人の中にはLGBTの人たちがたくさんいると思います。その人たちが堂々と生きていけるようになればいいし、そんな日が来ることを心から願い私自身もLGBTを広める活動をしていきたいです。
ノンケだったのに…男に恋した私
大学を卒業してから英語関係の仕事をしていた時、ある外国人の男性と会いました。すごく背が高くイケメンで優しい人でした。ある時、彼の家に行ってお酒を飲んでいると
「話がある....実は俺ゲイであなたのことが好きなんだ。」
その瞬間今までにないくらい胸がきゅんとしたのを覚えています。
確かに彼女も何年もいなくて、LGBTには理解があるけどまさかここで言われるとは夢にも思っていませんでした。そして返事に困り、いったん保留にして頭の中を整理することにしました。
夜も遅かったので彼の家に泊まりました。
友人に「告白されたどうしよう」と連絡すると「あなたの気持ちは?」と聞かれ「わからない」と答えると「それなら自分の胸に手を当てて確認しなきゃ」といわれひたすら考えていました。
寝ていると告白してきた外国人の彼が「一緒に寝ていい?」と来ました。ドキドキしながら「いいよ」と答え、一緒に寝ることになりました。
「ゲイ?バイ?女好き?」とひたすら頭の中で自問自答していました。すると彼が抱き着いてきました。顔を見るとすごくかわいい顔をしていて思わずきゅんとしました。
「??」
今の気持ちは何だ?
ものすごく不思議な気持ちでした。
数年前にある人を好きになった気持ちと同じ気持ちでした。
「まさか、俺は彼が好きなのか?」そう考えると考えるほど心臓がどきどきしてきて寝れなくなりました。寝れないまま横にいる彼の顔を見たとき
彼と付き合ってみよう
…会社や同僚の理解は本当に大丈夫だろうか?色んな不安が頭をよぎりました…。
次の日の朝、彼に返事を伝えようとしましたが「先に行っています」と手紙があり、あとから出勤しました。
会社に行くと彼が玄関にいました。
「返事は?」
「Yes.」
答えると同時に手を引かれ会社の中へと連れていかれました。「このまま会社へ行くのはまずいよ」と伝えると「大丈夫!」の一言。そして会社の中へ手を引かれたまま入っていくと同僚たちが拍手で迎えてくれました。
実は告白しようか悩んでいることを彼は同僚たちに相談していたらしく、同僚たちが飲み会の提案をしたりアドバイスしていたようでした。私のオフィスには花束やメッセージカードが置いてありたくさんのお祝いの言葉をいただきました。その時に初めて幸せな環境にいると感じました。会社の人に反対されてだめならば会社を辞めて海外で生活するのも悪くないと思っていました。しかし私の思っていたものとは180度違う出来事にものすごくびっくりしました。社長や上層部もこの事実を認めてくれ、実はこの会社にはレズビアンのカップルもいたとその時気が付きました。
その出来事から数年が経ちますが今まで一度も嫌がらせを受けたり差別された対応をされたりということもなく幸せに暮らしています。しかし、この先のことを最近考えるようになりました。日本の現行法律では結婚もできないし、海外に出て暮らすほうがいいのかな悩み少しづつ出てきているのでまた二人で話合い決めていこうと思っています。
まさか彼に恋をするとは夢にも思わなかった出来事だったので驚きでした。
これが同性同士で付き合うという事なんだと最近になってからようやく理解しました。