アルコール依存症とは、ただお酒をたくさん飲むことではありません。
アルコール依存症の人は、本人だけではなく、家族や周りの人間をも苦しめます。
私自身もアルコール依存症の父を持ち、長年苦しい思いをしてきました。
家族がアルコール依存症になったら、どのように向き合うべきなのでしょうか。
アルコール依存症の父を持ち、私自身が経験してきたことをご紹介します。
※過去に依頼した記事の掲載になります。
家族がアルコール依存症になったら
アルコール依存症患者と一つ同じ屋根の下で生活をする家族は、
アルコール依存症の患者と接する機会が多く、
その姿を目の当たりにすることになります。
家族なので、心配をしたり、治療を勧めたりします。
しかし、アルコール依存症になっている本人に、
自分がアルコール依存症である自覚がないことや、
治療をする気がないことが多く、
気が付いたら症状が悪化してしまい、
取り返しの付かない事体に陥ってしまいます。
私の父親も同様でした。
最初は本人にアルコール依存症の自覚がなく、
家族も強く治療を勧めることが出来ませんでした。
その結果、状況は悪化するばかりで、
私の家族みんなが苦しい思いをすることになりました。
アルコール依存症は家族も苦しめる
アルコール依存症は本人だけではなく、
間違いなく家族をも苦しめます。
アルコール依存症になっている時点で、
まともな社会生活が送れなくなってしまうからです。
常にお酒を飲み、
判断力が低下しているので、
仕事や家事がまともに出来なくなります。
家族に経済的な負担を掛けてでも、
お酒を飲むのがアルコール依存症患者です。
悪化してしまうと呂律も回らず、
まともに会話をすることが出来なくなり、
そういった姿を目の当たりにする家族の心までもが蝕まれてしまいます。
アルコール依存症患者の家族の生活
アルコール依存症の家族は
、どういった生活を送っているのでしょうか。
アルコール依存症の家族が暴れたり、
外でトラブルを起こしたりした場合は、
家族が後始末をする必要があります。
私の場合、アルコール依存症の父親が行方不明になり、
夜中に家族で捜索をしたことや、
酔って怪我をした父親を迎えに病院へ行ったこともあります。
周りに迷惑をかけることのない様に、
神経をすり減らして、
必死に目を配っていても、
アルコール依存症患者にトラブルは付き物です。
しかし、アルコール依存症患者の家族にも、生活があります。
家族がアルコール依存症になってしまったからといって日常生活を失うわけではありません。
当然ですが、自分たちの生活を守る努力をすることもとても大切です。
アルコール依存症の家族との向き合方
家族がアルコール依存症になってしまった場合、
別離でもしない限り、
アルコール依存症の家族と共に、
アルコール依存症と向き合い、
治療に協力をすることが一般的です。
アルコール依存症になってしまった本人を闇雲に責め続けていても、
前に進むことはありません。
アルコール依存症患者の家族が、
アルコール依存症は病気だと割り切って向かい合うことがとても重要です。
その為には、アルコール依存症がどういった病気なのかを知る必要があります。
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アルコール依存症は病気です
アルコール依存症は精神と身体に異常をきたす病気です。
意思が弱くてお酒を飲んでしまっているわけではなく、
お酒を飲むことを自分自身でコントロールが出来なくなってしまっている状況です。
具体的にアルコール依存症についてご紹介します。
アルコール依存症とは
アルコール依存症とは、
多量のお酒を習慣的に長年に渡って飲み続けた結果、お酒を飲むことを止められなくなってしまった状態
です。
アルコール依存症になってしまうと、
アルコールが体内から抜けた時にイライラしたり不安になる等の精神的な症状や、
手が震えたり、眠れなくなる等の身体的な症状が現れます。
アルコール依存症患者は、それらを抑える為にまたアルコールを摂取します。
本人はアルコール依存であることを認めたがらず、
多くの場合、治療に積極的でないことが特徴です。
アルコール依存症患者の生活
アルコール依存症患者は、
お酒を飲んではいけないような状況でもお酒を飲みたくなり、
一度飲み始めると飲む量を調整することが難しくなります。
その為、飲酒関係のトラブルを起こしてしまうことがあり、
仕事や私生活に影響を及ぼしてしまいます。
私の父はアルコールの抜けないまま仕事へ行き、
上司に家に帰らされたことがあります。
最終的に仕事を失い、
家の中で一日中お酒を飲んでいました。
当然、家族がお酒を与えていたわけではありません。
気が付いたら酩酊状態でお酒を買いに出かけてしまっていました。
アルコール依存症の父親に、
お酒を飲むことを止めさせることは本当に難しかったです。
アルコール依存症患者の生活は、
起きている間は常にお酒を求めているといっても過言ではありません。
アルコール依存症の治し方
では、アルコール依存症になってしまったら、
どのように治療をするのでしょうか。
アルコール依存症の状態や症状によって治療法は複数あります。
一般の病院でもある程度の治療を行うことが可能ですが、
状態が悪ければアルコール依存症治療の専門病院へ行く必要があります。
アルコール依存症は、
本人が飲酒の問題を認識し、
断酒の決意をする精神的な治療がとても重要です。
病院に入院して、
退院した後もリハビリ治療を行い、
場合によっては薬を飲んでアルコール依存症の治療を進めます。
アルコール依存症患者の最後と家族のその後
アルコール依存症の恐ろしいところは、
アルコール依存症になってしまった本人が身も心も滅ぼしても、
お酒を飲むことを止められないというところです。
私の父親はアルコール依存症になり、
治療を行い、
抗酒薬も投与されていましたが、
完治することはありませんでした。
私の家族はアルコール依存症の父親が、
会話もままならない程の重症状態になっても、
父親の回復を願い、
最後まで治療に協力をしました。
アルコール依存症の悲惨な末路
アルコール依存症を乗り越えて、
回復した人は世の中にたくさんいます。
しかし私の父親は、アルコール依存症の治療中にも関わらず、
どこからともなくお酒を手に入れて、
アルコールを摂取していました。
料理酒でもみりんでも、飲んでしまうのがアルコール依存症です。
そして鬱病を発症してしまい、
自殺未遂を起こす等、
治療はなかなか上手くいきませんでした。
最終的には肝臓に病気を抱え、
その治療を行う中、
心筋梗塞によって亡くなってしまいました。
心も体も本当にボロボロになっていたと思います。
病気の症状は人それぞれなので、
私の父親はあくまで一例です。
アルコール依存症患者の家族に出来ること
アルコール依存症患者の家族に出来ることは、
本人にアルコール依存症であることを認めてもらい、
治療をしてもらうことしかありません。
それがどんなに難しいことかは、
身をもって経験をしてきたのでわかります。
しかしアルコール依存症は進行性の病気です。
悪化していく病気なので、
放っておいて良くなることはありません。
アルコール依存症という問題を家族だけで抱え込む必要はありません。
家の近くの「保健所」や「精神福祉センター」に相談をすることも、
アルコール依存症治療への一歩となります。
まとめ
アルコール依存症は、意思が弱くてお酒を飲んでしまうのでありません。
お酒を飲むことを止められない病気です。
アルコール依存症患者本人も家族も、
アルコール依存症について知ることが治療の一歩となります。
私の父親と家族はアルコール依存症に本当に苦しみました。
だからこそ、
アルコール依存症は少しでも早く治療をするべきであり、
甘くみてはいけないということを学んだのです。
そして私が経験したことを踏まえて、
アルコール依存症について伝えたいと思いました。
家族がアルコール依存症かもと思ったら、
目をそらさずに向き合うことが大切です。
そして家族だけで抱え込まずに、
病院や行政に相談することもとても重要です。
今回はアルコール依存症の方の投稿でした。
皆様の体験談募集しております。
みなさんの人生経験が、
誰かのためになります。
私の障害者雇用事業にもぜひご協力ください。
よろしくお願い致します。